ミニゴン 製作編

デスクトップ ミニゴンのキットが欲しい

レコードとTBSラジオ好きな埼玉のOさんが工房にやって来ました。

荒川強啓デイキャッチは相変わらず面白いとか、草野満代 夕暮れワンダフォーもいいですよ。などと最近のラジオの話をしたあと、デスクトップでミニ真空管アンプで鳴らす小型のスピーカーの製作を依頼されました。

製作条件は、①省スペースで1筐体 ②デザインはミニゴンのレプリカ ということでした。

参考資料は別冊ステレオサウンドのこの2冊です。詳しい図面や細部の写真が多く、図面を書くのにとても役に立ちます。

特に高津修さんのパラゴンシリーズの記事は面白いです。

2週間後、図面が終わったところでOさんに見せると、「これなら面白そうだから自分で組み立てたい、キットにして渡して」

ということになりました。Oさんのスピーカーを仕上げる手間が省けたのでキットを2セット分製作し、自分用に1台組み立てることにしました。これでラジオ聞いたら楽しそうです。たまむすび聞きたいな。

エンクロージャー内容積 1.5L バスレフポート 100HZ、オーソドックスなバスレフ設計です。本物のミニゴンは密閉ですけどこれは底面にバスレフポートを設置しています。

キットを準備する

資料によれば、当時マホガニー、黒檀、ウォルナットの3種類の仕上げが選べたとあります。カラー写真はウォルナットなので、ほとんどウォルナット無垢材で製作することにしました。

 

フロントの左右の板の切削

 

天板の切削

リフレクターを取り付ける中板の切削

 

リフレクターのブロック。 唯一、ウォルナットではないパーツ。人工木材から削り出します。

このあとウォルナットの突き板を貼って仕上げます。

 

小パーツはこんな感じです。

パーツがそろってきました。

 

キットを組み立てる

ユニットを取り付けるバッフル裏にM3ナットを仕込みます。

ルーバーを取り外せるようにネオジウム磁石を埋め込みます。

直角が出せるようにアクリルブロックや金属板を用意します。

サイドの板を直角に接着しているところ。

バッフル部分をエポキシ接着剤で接着。各パーツは角度がつけられているので、しっかり保持したまま硬化するまで待ちます。

だから、この部分は、5分硬化のエポキシを選びます。

320~600番までペーパーをかけて仕上げます。

磁石を埋めた部分はアロンアルファでしっかり埋めて仕上げます。

ウレタンオイルを塗りすぐ拭き取ります。そのあと、800~2000番のペーパーをかけてもう一度オイルを塗って拭き取ってウェスで磨きこみます。この作業は見えるパーツすべてに行います。

ウエスで磨いてます。

バッフルの内側を仕上げます。この部分は組み立ててからでは、仕上げの手が入りません。きっちり仕上げきっておきます。

バッフル面の仕上げ

底板の4スミにはゴム足をとめるナットがあります。接着剤がまわらないようにセロテープの細切れで対処しておきます。

底板を仕上げています。

バッフルを接着。接着は必ず一箇所ごとに、木の反り、接着クリアランスを確認しながら行います。いっぺんに接着しようとすると必ず失敗します。このようなパーツ分割のスピーカーの組み立てにハタガネは向いていません。

定盤や厚いガラスの上に置いて重さをかけて接着するようにします。ハタガネだとピンセットでの拭き取りもしづらく、よじれて接着される可能性もあります。ハタガネを使う場合、本体とハタガネの間にフラットな板を必ず挟むべきです。

エポキシ接着剤の染み出した所をティッシュに溶剤を染み込ませてピンセットで拭き取ります。数分置いては拭き取るを繰り返します。接着剤は30分硬化型です。十分な拭き取り時間をとらなければなりません。

 

サイド板の内側です。このように染み出してきます。

リフレクターを取り付ける中板を接着し接着剤を拭き取る。

実物のミニゴンは密閉ですがこれは底面にバスレフポート

を設置してます。ポートのチューニングは100HZです。

左右一体型で長岡鉄夫先生のアンサンブルスピーカーみたいな感じです。

それぞれの板の高さは0.1ミリくらいの段差ができています。マジックを塗って削り落としてフラットを出します。

すり合わせるとこうなります。

拭き取った跡が表面に影響している所は#2000で仕上げ直しておきます。 ポート口も忘れずに。

ケーブルを用意してスポンジを巻きます。

スピーカーターミナルは右側に4つまとめています。デスクトップ用なので使い勝手が優先します。

天板を接着したら外側の仕上げに入ります。

番手を上げながら#2000まで。右の写真は全周0.5Rつけているところ。

スミはこのように傾斜をつけたあて板にヤスリを貼ってキッチリヤスリがあたるようにします。

全体をオイルフィニッシュしています。ここまでくれば、完成までもう少し。

リフレクターを仕上げ、マスキングして影になる部分につや消し黒を吹きます。

ターミナルを固定し、パッキンを貼ります。

吸音材を少量いれます。

スピーカーを用意する

Tang Band 2.8センチフルレンジ W!1-1942S  けっこう低音が出せる良品です。小さいですがペアで8,000円もします。

そのままの状態だとコードと接着材がフランジ裏に影響していて取り付けに支障をきたします。

コードを切断し、本体にみぞを切り、マグカバーを新たに作り、端子もビス留めし、ユニットとして使えるように改造します。

この改造は相当たいへんです。

ルーバーの製作

ルーバーを取り付ける板を仕上げたら、ステンレス棒を磨いてからミゾに圧入して接着材を流します。

圧入できるクリアランスで作っておくのがポイントです。

エアコンのルーバーみたいなパーツを仕上げます。18枚さすがに飽きますねー。

ルーバーは傾けて正確に穴をあけていますので意図した角度に決まります。

ジグを使って等間隔で裏から接着していきます。この作業が一番楽しかったです。

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