シュアーM44ハイブリッドハウジングの製作

川崎のSさんが久しぶりに僕の工房にやって来ました。

工房をひとしきり見てから、「床になにも置いてないのがいいね」と言って、買ってきた湿度計付きの高価な壁掛け時計をくれました。

シュアーがカートリッジの生産をやめるとニュースで聞いて、ひさしぶりにM44-7をとりだして使いはじめたそうです。「M44-7は昔の友達がDJやめる時、2つくれたんだよ。聞いてたらなつかしくなってさ」と言ってM44-7を机に置きました。

「新しいカートリッジもいいんだけど若い頃の事とか、DJだった友達の顔思い出して聞くのもいいなって。専用のかっこいい筐体作ってよ。低音もよく鳴るかもしれないし。そしたらずっと使うからさ」

「昔のLINNにもデザインの好きなのあったなー、ベンツマイクロの黒檀ボディの高いやつとか知ってる?」

(全然知らない)

「あとライカみたいに刻印してね」

結局Sさんは、在庫している木材の中から黒檀を選びデザインはおまかせでということで試作することに決まりました。

メールでやりとりしながら5回ほど作り直し今の形状になりました。一ヵ月後また工房に来て、リッチー・バイラークを聞いたSさんは 「いいね44-7、これでSPUと交互に使えるよ。君のところの3,000円のお手軽キットあるけど、これ高級版にして販売したら。M44G用も作ってさ」と言ってM44G用も注文してくれました。「今度来る時までにデザインを合わせたシェルも作ってよ」と言って川崎に帰っていきました。

オーディオ歴のあまり長くない僕は、シュアーの思い出とかは全然ないけれどM44-7でチック・コリアとエミ・マイヤーを聞き直してみたくなりました。

もし、「テレキャスター・ストライプ」がレコード化されたらすごく合いそうだなーって思います。

 

パーツはこんな感じで製作しています。

アルミプレートを削り出してヤスリをかけて仕上げます。

この後、ブラストを打って、アルマイト加工します。

本体を削りだしたところ。#2000くらいまでヤスリをかけながらオイルフィニッシュで仕上げます。

アルマイト加工の後、ラッカーでスミ入れします。

 

 

 

M44-7のハウジングは重針圧でコンプライアンスが低めのため比重の重い黒檀とアルミで製作しました。オリジナルとちょっとちがうソリッドで重心の下がった低音を楽しめます。
M44Gのハウジングは少し軽いカリンで製作しています。

自作向けパーツなので、彫刻は他のシルバーハート製品とちょっと感じを変えて、s.heartと短縮して入れました。

アルミはアルマイト処理、文字はすべて彫刻してラッカーを流しています。四つのステンレスビスはハンドポリッシュしてピカピカです。ヘッドシェルに取り付けるビスは上からのみ可能なタイプです。

 

M2.6ナットが埋め込まれています。

針をはずしても本体がわかるように刻印しています。

オリジナルより針先は1.8ミリ前後高くなります。

 

 

 

 

 

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